カーストヘヴン(1)
カーストヘヴン(1)/緒川千世
あらすじ
梓はカーストゲームで最上級の札「キング」を手にし、クラスの頂点に君臨していた。だが、懐柔していたつもりの取り巻きに欺かれ、最底辺の「ターゲット(いじめの標的)」に落ち、プライドは粉々に。しかも奴は、新キングの座を手にしたのだ。クラス全員にいたぶられる梓に「俺に犯されるか皆にマワされるか選べ」と究極の選択を迫り……。
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「キング」として他者をいたぶり、横暴に振る舞い、絶対的支配をしてきた梓が堕ちていく姿はゾクゾクしますね。
作中の梓のセリフに「自己も尊厳も粉々にされて、それでも俺がここに居る意味はあるのだろうか」っていうのがあるんですけど、それだけされても新キングを屈伏されることだけを支えにして歯向かい続ける梓と、梓を引きずり下ろしてグチャグチャにしている新キングの関係がどう変わっていくのかが楽しみ!
梓と新キング以外の生徒達も、カーストゲームに支配され、怯え、楽しむ、そういう異常な関係性の中で、友情だったり恋愛だったり騙し合いだったり、いろんな感情が渦巻いていて読み応えあります。
巻末のあとがきで緒川千世先生が「ちゃんとした答えとハッピーエンドは用意するつもり」と書いていらっしゃるので、安心して読めるのも嬉しいですね。
続編が待ち遠しい…。